中古のフィアット500を購入した話 いろいろ心配事はあったけど購入した理由は?
昨年の9月に中古のフィアット500を購入しました。
外国車は故障が心配。特にイタリアの車は故障が多い、という声をよく耳にしていたので、購入前はかなり躊躇していたのですが、悩んだ末に購入しました。
調べてみると、フィアット500を購入する前の障壁がいくつかあるな、と考えるようになりました。
障壁1. 故障が多いのではないか?という心配
前述した通りです。これが一番の心配でした。昔70年代のアメ車に乗っていましたが、とにかく壊れるので、もう壊れる車は乗りたくないと辟易した経験もあって、20年近く日本車に乗り続けていました。
特にフィアット500で一番多くてどデカイ故障が、デュアルロジックの故障。デュアルロジックというのは、フィアットの公式ページから引用すると下記となります。
FIAT500やPandaに装備されるデュアロジック。ただの「FIAT版のAT」ではありません。オートマチック限定免許でも運転できるこのトランスミッションは、クラッチペダルもなく見かけは完全に「AT車」なんですが、厳密にいうとシフトとクラッチの操作、つまりMTの操作を機械がこなしてくれる自動MTともいえるシステム。
とのこと。
これが故障すると、数十万円コースとのこと。いろいろな人のフィアットに関するブログを読んでると、多くの人がこの故障に見舞われているようです。
障壁2. 家族4人で、小さすぎるだろ問題
我が家は、私と奥さんと小学校の子供ふたり、という家族構成。子連れファミリーはミニバン当たり前、という時代に3ドアのフィアット500をメインカーにするなんて正気じゃない、とうい意見も知人からもらいました。小さいなら軽の方がコスパも良い。可愛さを求めるにしても、フィアット500に劣らない魅力を持った可愛い車はたくさんります。
収納スペースも絶望的です。ダッシュボードもおまけ程度に少年ジャンプ一冊が入るくらいの空間です(つまりたいして何も入らない)。
後部座席では成人が足を伸ばすどころか、膝が前座席にくっついちゃう超エコノミークラス状態。
障壁3. 操作性のクセが強すぎるんじゃ問題
これまたデュアルロジックなんです。まずデュアルロジックって、オートマじゃなくて、マニュアルなんです。なので
・坂道発進するとき、後ろに車は後ろに下がる。クリープ現象がない。
・オートマッチックモードでのギアチェンジの際、一瞬「ガクッ」という小さなノッキングが入る。
・ウィンカーとワイパーが逆。
・メーターまわりのよくわからないサイン。
・等々
障壁4. 国産に比べて車体価格や維持費が高い
イタリアの庶民の車、という触れ込みとはいえ、ここは日本。外車ってなんだかんだ高くつきます。
・購入する車体価格そのものも同クラスの中古車と比較しても高額
・維持費だって仮にノートラブル(ありえないけど)だとしても、ガソリンはハイオクを使用しなきゃいけない。
フィアット500の悪口をツラツラ書き立ててると辛い気持ちになってきましたが、フィアット500を購入する意味って何でしょう?
一度きりの人生。乗りたい車くらい乗ろうじゃないか!
私は本来はそれほど理屈っぽくない性格で、何となくの理由で行動することが多いタイプです。
普段生活する上での判断基準は、良さそうか?悪そうか?面白そうか?つまらなそうか?
数字的根拠はあまり気にしないようにしてます。
でもまあ、安くない買い物ですし、財布の紐は奥さんが握ってます。
となればプレゼンして稟議の申請を行う必要があります。
上記の問題をどうクリアしていくのか、という課題を自分に課しました。
障壁1. 故障が多いのではないか?という心配
解決1. ボロい車に乗ってる男は尊敬される
そういう習わしが、男の世界にはかつてありました。車のトラブルが多ければ多いほど周りは喜びますし、ドライバーの株も上がったものです。
私も前述したボロい70年代のアメ車に乗っていた時は、最後は大型消防車2台がやってくるほどの大騒ぎを起こしたことがあります。
こまめなメンテナス。そして諦め。これしかありません。
障壁2. 家族4人で、小さすぎるだろ問題
解決2. そう悪いものでもない。実は小さい方がかっこいい。
ファミリー向けの車は大きいければ大きいほど良い。
幻想ですね。
大きければ大きいほど荷物も増えます。最小の荷物を積んで、小さい車で出かける方がスマートだと思いませんか?
小さい車の方がかっこいい。客観的事実があります。
ルパン三世やシティハンターはみんな小さい車に乗ってます。小さい車にぎゅうぎゅう詰めです。あれをかっこ悪いと思う人なんていませんよ。
それに、いくら車が小さくても、実はドライバーである私にはあまり関係のない話。ドライビングスペースは絶対的に確保されるわけです。辛いのは同乗者だけなんです。
そして、子供は小学生でまだまだ小さいです。腐っても四人乗りの車です。なんなら、スペースに余裕さえありますよ。
子供が大きくなったら? その頃には、子供なんか一緒に車に乗ってくれないですよ! そう考えると小さくないんです。全然。奥さんが女性の割に長身なので、ちょっとかわいそうですが、「もう慣れた」と言ってくれてます。
障壁3. 操作性のクセが強すぎるんじゃ問題
解決3. 慣れです、慣れ。
多少の操作性の悪い車を乗りこなせなくてどうしますか。全てが同じであるはずもなく。全てが自分の思い通りになるなんてことは、ありえません。
男子門を出ずれば七人の敵あり。
最初はおっかなびっくりすることもありますが、なんだかんだ言っても所詮オートマです。
坂道発進の味方「ヒルホールドシステム」という装置もあります。坂道発進のとき、ブレーキを強く踏むとピタッと2秒くらいとまってくれます(未だになれないけど)。
まあ、イタ車に乗ってるというアジだと思って楽しむのが良いと思います。
障壁4. 国産に比べて車体価格や維持費が高い
解決4. ・・・
これはですね・・・。
がんばりですね。がんばり。それだけです。
以上のようなロジックで私は、フィアット500の購入を決めました。
要は、「人生は一回だけ、乗りたい車にくらい乗りましょうよ」という精神です。
車の性能はスペックだけじゃない
これは私だけの感じ方かもしれませんが、あまり好きじゃないな、と思う車に乗ってたことがあったんですが、毎回乗るたびに「なんか違うな」と思ってたんです。
反対に前述したアメ車は、「これだよ、これ!」と思いながら乗ってました。当時アメリカ人の知人からは、「ユーは日本人なのに、なぜこんな燃費も悪い鉄くずのようなアメリカ車に乗るんだ? 燃費もよく故障も少ないジャパニーズカーに乗れば良いじゃないか」とよく質問されましたが、「この車が最高にクールだからだ」と答えてました。
車の性能って、燃費とかスピードとか大きさとかの数値的なスペックだけじゃなんですよね。
デザインとう性能が結構大切で、「この車となら幸せな人生をすごせる」って思わせるようなデザインってあると思うんです。毎日自分の家の庭にルックの良い愛車が駐車してるわけです。
良いじゃないですか!
私は平日は電車通勤なので、車を使用するのは週末だけ。乗らなくてもただ眺めてるだけでも満足できる車って、結構お得だと思いませんか?
会社から帰ってくるたびに、フィアットを見て「やっぱいいな」と毎日思えるって、得ですよ。精神衛生上かなり得です。
あとフィアット乗ってると、オシャレだと思われるのも良いです。
「あ、フィアットだ。おしゃれですねー」
普段の生活で、「おしゃれですねー」って言われませんよ? でもフィアットを通してなら言ってもらえるんです。意外と気分良いものです。
購入理由は以上になります。
要は、買った方が人生のイメージが良さそうだから買う。
そんな感じです。
今日私が言いたい事は以上です。
以下、車選び私が参考にした書籍です。面白いですよ。